AIが身近になった今、ChatGPTを使った英語学習が注目されています。
ChatGPTは、OpenAIが2022年に公開した対話型生成AIです。
ユーザーの質問や指示に対して、人間のように自然な言葉で回答するのが特徴です。
英語学習はもちろん、文章作成や要約、翻訳、調査、メール作成、プログラミング支援など、幅広い分野で活用されています。
2025年7月に追加された「学習モード」は、単に答えを出すだけでなく、ヒントや問いかけを通じて理解を促す新しい学習支援機能。
無料版を含め、全ユーザーが利用できます。
一方で、興味はあるものの効果的な使い方がわからず悩む人も多いです。
そこで本記事では、ChatGPTを英語学習に活用するメリットや注意点に加え、おすすめの書籍や効果的な活用法も紹介します。
英語学習にChatGPTを使うメリット
ChatGPTを使うと、従来の方法では難しかった「自分のペースで学べる環境」が得られます。
ここでは、ChatGPTを使って英語学習をするメリットを5つ解説します。
無料で始められる
有料版はより精度の高いAIや音声機能、優先アクセスなどが利用できますが、無料版でも基本的な英語学習には十分対応しています。
まずは費用をかけずに自分に合った学び方を試せることが強みです。
リアルタイムでフィードバックがもらえる
ChatGPTは、質問に対して即座に応答してくれます。
人間の講師と違い、待ち時間が少ないため、集中力が途切れづらく、集中力を維持しながら効率よく学習できます。
学習者のレベルに合わせてもらえる
ChatGPTは、レベルや目的に合わせて内容を自由に調整できます。
日常会話やビジネス英語、資格試験対策など、さまざまなテーマに柔軟に対応します。
個別のニーズに沿った具体的なアドバイスを受けられる点も魅力の1つです。
恥ずかしさを気にせず学べる
AIが相手なので、間違えても恥ずかしさや気まずさがありません。
初心者がつまずきやすい発音や文法の疑問も、何度でも気軽に質問できます。
こうした安心感が、英語学習を継続する自信につながります。
いつでも好きなタイミングで学べる
ChatGPTは365日24時間利用可能です。
忙しい日常のスキマ時間やまとまった時間など、生活スタイルに合わせて学習時間を確保できます。
場所や時間を問わず、いつでもどこでも気軽に取り組める点も大きなメリットです。
ChatGPTを使った英語学習法8選【スキル別活用法】
ChatGPTは、多方面の英語スキル向上に役立ちます。
ここでは、スキル別に具体的な使い方とポイントを紹介します。
自分の目的や学習スタイルに合わせて参考にしてみてください。
スピーキング練習
入力画面のマイクボタンの右隣にある「音声モード」ボタンを押し、話しかけると会話が始まります。


例えば、「空港のチェックイン場面でロールプレイをしてください」と指示し、その後、役割分担をして対話練習をします。
音声が速い場合は「もう少しゆっくり話してください」や「初心者なので人前で話すのが苦手」「間違えたら会話の区切りで教えてください」といったリクエストにも応じてくれます。
発音練習
自分の発音を音声入力し、「この発音は正しいですか?」「この単語のイントネーションを教えてください」と指示すると、ChatGPTが読み上げてくれます。
ただし、ChatGPTの音声認識精度には限界があるので、正確な発音チェックはGoogleの音声検索、音読さん、Forvoなどの専門ツールを併用するとよいでしょう。
リスニング
例えば「TOEICのパート2のリスニング問題が苦手なので、同じ形式で練習問題を作成し、解答と解説も教えてください」と指示します。
作成された英文は、音声読み上げ機能(iPhoneのVoiceOver、Windowsのナレーターなど)や外部ツール(Google翻訳やNaturalReaderなど)を使って聞くことができます。
また、その英文はディクテーション、オーバーラッピング、シャドーイング、リーディングなどの教材としても有効活用できます。
ライティング
自分で英作し文を入力し、「間違いを指摘してください」「自然な表現に直してください」と頼むと、文法・ニュアンス・語彙選びまで丁寧に添削してくれます。
日記やメール、レポート、スピーチ原稿など、目的に応じた練習を通じて、表現力や文章構成力の向上もサポートしてくれます。
単語学習
「このテーマの重要単語を10個挙げて、例文もつけてください」と指示すれば、リスト化してくれます。
さらに、覚えたい単語を使ったクイズや、興味に合わせた例文作成も依頼できます。
学んだ単語を使ってストーリーを作ってもらうなど、工夫次第でメリハリのある学習法にアレンジできます。
文法チェック
「この文法をわかりやすく説明してください」と指示すれば、ChatGPTが丁寧に解説します。
「中学生にもわかる言葉で説明してください」といった要望にも応じます。
文法ミスを指摘して修正するだけでなく、背景や使い方まで納得がいくまで教えてくれます。
リーディング
目的やジャンル、レベル、難易度、文字数を指定すると、希望に合わせたリーディング教材を作成してくれます。
わからない単語や表現はその場で質問でき、辞書なしでもスムーズに進められます。
資格試験対策
ChatGPTは、TOEIC、英検、IELTSなどさまざまな英語資格試験対策を支援する強力なツールです。
強化したいパートを指定すれば、同じ形式で練習問題を作成してくれるほか、ライティングの添削やスピーキングの模擬面接にも対応します。
苦手分野を伝えるだけで、オリジナル教材や学習プランも提案してもらえます。
ChatGPTを英語学習に使うときの注意点
ChatGPTは便利ですが、使い方次第では効果が十分得られないこともあります。
安心して効率よく学ぶために、知っておきたいポイントをまとめました。
情報が間違っている場合がある
ChatGPTは主に英語を学習しているため、英語学習ではハルシネーション(誤情報)が起こりにくいとされています。
ただ、無料版は学習データが古く最新情報や試験傾向に対応できない場合があります。
有料版でも誤情報生成はゼロではないため、間違いを見抜くにはまず英語の基礎知識やルールを身につけ、批判的視点を持てるようになることが大切です。
疑問がある場合は、複数の信頼できる情報源と照合しましょう。
個人情報・機密情報の扱いに注意する
ChatGPTは入力内容をサーバー上で処理し応答を生成します。
入力情報を学習しないよう設定はできますが、情報漏えいリスクはゼロではありません。
特にビジネス英語の練習で社内資料やプロジェクトの詳細など個人情報を含む機密情報は入力しないようにしましょう。
練習時は、架空の設定や一般的な内容に置き換えるなど安全対策を徹底する必要があります。
※参考:OpenAIプライバシーポリシー
高度な専門分野には限界がある
ChatGPTは一般的な英語学習には有用ですが、法律や医療などの高度・専門分野では正確性や責任の面で限界があります。
これらの領域の内容は参考程度にとどめ、必ず専門家や公式情報で確認しましょう。
ChatGPTを使いこなすためのコツ
ChatGPTの効果を最大限に引き出すコツは、目的に応じて使い方を工夫することです。
本項では、効果を高めるためのコツを2つ紹介します。
プロンプト(指示)の出し方を知る
ChatGPTを使いこなすカギは、適切なプロンプトの出し方を身につけることです。
以下の3点を意識すると、より満足度の高い回答を得やすくなります。
- 具体的に指示する:学習レベルや目的などをできるだけ明確に伝える(例:TOEIC600点向け単語リスト、ビジネス英語フレーズ)
- 立場を指定する:「あなたは英語講師です」など視点や役割を明示する。
- 出力形式を指定する:表や箇条書きなど見やすい形で出力させる。
AIが相手であることを意識する
ChatGPTは有能な学習パートナーですが、相手はあくまでもAIです。
表情やジェスチャーなどの非言語的要素は理解できないため、オンライン英会話や対面指導など人間との学習機会も取り入れましょう。
また、課題発見や軌道修正には、ChatGPTで練習を重ねつつ必要に応じて人間の英語講師に相談する方が効果的です。
ChatGPTを使った英語学習におすすめの本3選
ChatGPTを使った英語学習法をより深く理解するために、おすすめの本を3冊紹介します。
どの本も知識やノウハウをわかりやすく解説しており、初心者から上級者まで幅広く役立つ内容です。
ChatGPT英語学習術 新AI時代の超独学スキルブック
著:山田 優/出版社:アルク
ChatGPTを英語学習アシスタントとして使いこなす方法や、具体的なプロンプト例などを多数掲載しています。
AI英語革命 改訂版‐ChatGPTで英語学習を10倍効率化
著:谷口 恵子/出版社:リチェンジ
英語4技能から単語学習や試験対策まで、ChatGPTで学習効率を高める方法を体系的に解説しています。
ついに来た!AI時代の英会話勉強法
著:KJ.Ageta/自費出版
正式タイトルは「ついに来た!AI時代の英会話勉強法:AIで英語の勉強は劇的に変わる!スピーキングのためのAIへの指示、学習方法まで全て解説(AI(ChatGPT)とその適用)」。
ChatGPTを使った英会話練習の新しいアプローチを、具体的例とともに紹介しています。
まとめ|ChatGPTは信頼できる英語専属コーチ
最初はうまく使いこなせなくても、試行錯誤を重ねるうちに自分に合った活用法が見つかります。
ChatGPTは、いつでも寄り添い忍耐強くサポートしてくれる“専属コーチ”のような存在です。
上手に味方につけて、英語学習をより身近で楽しいものに変えていきましょう。

